大学生が借金を返せないとどうなるの?借金返済に困った際のおすすめ対処法
大学生は何かとお金がかかる面が多いです。授業料、教材費、交際費、一人暮らしをしている場合は生活費や光熱費などなど…。なので、奨学金を借りたり、アルバイトをしてお金の工面をしている学生は多いです。
昼間の大学に通う2人に1人が奨学金を利用しています。奨学金は、将来返済することが必要なお金=借金です。
そんな大学生を襲った新型コロナウイルスの感染拡大で飲食業やサービス業でアルバイトしていた大学生たちや、親がコロナの影響で収入減となって仕送りができないなどで、収入源を絶たれ、仕方なく「借金」をしているという方の数が急増しています。
大学生であっても18歳以上であれば消費者金融などから借金できるため、アルバイトによる収入が絶たれ、親からの仕送りが途絶えると、借金をする大学生が増えてしまったということです。
しかし、社会人に比べて収入が低めで学業が本業のため安定収入を得ることがなかなか難しい大学生が借金をすることにリスクはないのでしょうか?また借金の返済が滞り、どう対処して良いか困ったとき、どのように解決すればよいのでしょうか?
この記事では、大学生が借金している実態やその理由、借金返済ができない時の対処法、法的手段で借金減額を目指す救済措置である方法について解説していきます。「債務整理おすすめ」と言われる理由などについても見ていきましょう。
現代の大学生の借金事情とは?借金を抱えている人の割合と、借金額の平均について
大学生の借金事情として気になるのは、「借金してるのは自分だけじゃなくてみんなしている?」とか、「どのくらいの金額を借りているのか?」とか、「何処から借りているのか?」だと思います。
GMOあおぞらネット銀行株式会社が2020年に公開した 『大学4年生・社会人1年生1000名の懐事情 第2弾 マネーに関する調査2020 「収入・支出・投資・借金」』をみると、調査した大学4年生500人のうち、34.8%の大学生が「現在借金を抱えている」と回答しています。大学生の3人に1人が借金をしているという実態が見えます。
また、借金している大学生の平均額は197.9万円でした。
ただしこの回答には、奨学金の利用を含んだ金額で、その割合も大学生4年生で66.7%にも上ります。大学で学ぶための費用とは言え、金銭的な負担は大きいです。
従って、借入先については、日本学生支援機構がメインになりますが、それ以外にはクレジットカード会社や銀行、消費者金融などが合わせて約20%を占めています。
これらの数字を見る限り少ない印象を受けるでしょうが、収入源が定まっていない大学生の5人に1人が借金を抱えている状況に注意を払うべきなのでは無いでしょうか?
大学生が借金する理由は多岐にわたる!純粋な生活費から投資、ギャンブルなどまで
大学生が借金する理由は何でしょうか?
先ずは、大学に通うためということもありますが、自分の趣味や欲求を満たすためのこともあるようです・・・
- 学費
- 生活費(水道光熱費)
- 通信費(携帯電話、インターネット)
- 交際費
- 就職活動費
- サークル活動費
- 趣味(旅行、運動など)
- オンラインゲーム
- 投資
- ギャンブル(パチンコ、競輪・競馬、ボートレースなど)
細かくあげればキリがありませんが、自分の収入の範囲でできなくなれば、借金をしてでも自分の欲望を満たすことが容易にできる社会になっているのです。
「ローン」契約できる年齢が、成人年齢が下がったことにより18歳に引き下げへ!
「ローン」と言えば、大人を対象にしていると思ってしまいますが、2022年4月に民法が改正され、「成人」の規定が、20歳から18歳へと引き下げられました。
そのため、ローン契約ができる対象者が、10代の大学生へ広がった金融業者も少なくありません。
従って、大学生でもローンを契約することが可能となり、18歳以上でアルバイトなどで収入がある場合には、利用可能となっているのです。
当然、18歳以上の大学生は、すでに「成人」ですので、ローンの契約時に保護者の許可を求められることもありませんので、容易に借金できることに繋がるのです。
大学生の借金、いくらまでならやばくないの?目安は30万円だと思って!
借金をしていても返済計画を立てて、毎月計画どおりに返済できていれば何も問題はありませんが、そういう人はそもそも借金しません。
問題になるのは、毎月の返済を守られない人であり、返済ができないので借金が増えて最終的には「借金地獄」から抜け出せなくなるのです。
では、一体いくらまでが許容範囲なのでしょうか?
そもそも貸金業法に「総量規制」というものがあり、「貸金業者が行う貸し付けは、本人の年収の3分の1を超えてはならない」というルールがあります。
30万円の借金を返済することはかなり大変です。
借金が返せず、返済を滞らせると以下のような事態に陥ります。
遅延損害金が発生する
借金する際にも利子が付きますが、返済が遅延した場合は、罰則として遅延損害金をさらに高い利子を付けて返済することが必要になります。
返済期日の次の日から発生するため、延滞すればするほどどんどん借金はかさんでいってしまいます。
ブラックリストに登録される
借金の返済を度々滞納した場合は、「遅延」という金融事故として信用情報機関に情報が登録されます。
ブラックリストに載ると、新たな借入ができなくなったり、クレジットカード使用や新規作成ができなくなったり、就職に不利益になる可能性があります。
強制的な取り立てが行なわれ、無視し続けると、裁判、差し押さえの可能性が!
返済を滞納し続けると、債権者から督促状が届いたり、返済を要求する電話や訪問があります。
それでもなお滞納し続けると、債権者が裁判所に申し立てることで、強制執行が行なわれて預貯金や動産など財産を差し押さえられる可能性があります。
さらに何時も「返済しなければならない」という義務感や返済を要求される恐怖や緊張から、精神的な不安へとつながります。
大学生が借金を完済するためのポイントは主に2つ
大学生が借金を完済することを目指すのであれば、頑張って収入を増やし、節約して出費を減らすことの2つが重要です。
働く時間を増やして収入をさらに増やす
収入を増やして、毎月の返済額を増やしたり、繰り上げ返済して短期間で完済を目指しましょう。
- 長期バイトでコツコツと稼いで、毎月の返済額を増やし、返済期間を短縮する
- 長期休暇を利用して短期間で高額なバイトで一気に稼いで、繰り上げ返済する
- クラウドソーシングなどで「副業」する
- 長期休暇を利用して短期間で高額なバイトで一気に稼いで、繰り上げ返済する
ただし、大学生の本業は「学業」なので、こちらに支障がでない限りでしなければいけません。
生活費を見直し、節約できるところは実行しよう!
支出する金額を減らすために、日々の生活を見直し節約しましょう。
- 水道光熱費を抑える生活をする
- 携帯電話を格安スマホに変更する
- 家賃が安いアパートへ引っ越す
- 学食や学割など大学生での特権を活かす
- サークル活動や交際費、趣味への支出を制限する
ローンの生活から脱却し、学生生活を立て直すためには、それ相応の決意と努力、継続が必要です。
もう返せそうにない借金なら、債務整理がおすすめ!それぞれの手続のメリット・デメリット
一生懸命努力しても返済することが困難で行き詰まった場合には、最後の「切り札」となるのが、法的な救済措置である「債務整理」です。
しかし、債務整理をすると、クレジットカードが使えなかったり、新規ローンが組めないなどデメリットがありますが、社会に出てからのほうが影響は大きくなりますので、大学生のうちに整理しておくことをお勧めします。
債権整理のうち、主なものは以下の3つです。
任意整理で利息分をカットし、返済額を減らして不安軽減に!
任意整理とは、債権者(消費者金融会社など)と交渉することで、利息を軽減してもらうようにすることです。
裁判所を通して手続きするわけでは無いので、債務整理の中で比較的簡単な手続きです。
個人再生は、元本を含めた借金の総額を5分の1程度に圧縮して負担軽減へ!
個人再生とは、裁判所に再生計画の認可決定を受けることで、借金を減額し、原則3~5年で返済する手続きです。
自己破産と違い、自身の資産を失うリスクが少なくなりますが、個人再生が認められるためには安定した収入があることが条件となります。
大学生がアルバイトなどで得る収入で再建計画を認めてもらえることは、難しいと思っておいた方が良いでしょう。
自己破産は裁判所に認めてもらえると、借金をゼロにしてもらえる!
自己破産とは、裁判所に申し立てることで、公租公課を除く全ての借金返済を免除してもらう手続きです。
収入に関する要件はありませんし、借金に追われることがなくなるため、生活を立て直しやすくなります。
ただし、手続き終了まで職業制限がかかったり(士業や取締役、警備員などはNG)、価値ある財産が処分されたり(家や車など)、連帯保証人に迷惑をかけたり、ブラックリストに一定期間登録されたりなどのデメリットがあり、影響はかなり大きいと言えるでしょう。
借金が高額になってしまってどうにもこうにもならない場合の最終手段という感じですね。
大学生の借金問題で困った場合は専門家に相談だ!!
大学に進学する目的は、各個人によって異なります。
大学生時代をどの様に過ごすのかは各個人の自由ですが、やむにやまれぬ理由で借金をしてしまう人、自分の欲求をコントロールできずに借金をしてしまう人など様々です。
しかし、借りたものは返すのが法治国家である日本でのルールです。
しかし、どうしても借金の返済ができなくなり、どうしていいのか分からなくなった場合には、先延ばしにせず、早い時期に弁護士や司法書士に相談し、適切なアドバイスをもらいましょう。
弁護士や司法書士など専門家に相談することで、法律に関する豊富な知識とこれまでの経験を元に、あなたが抱える借金問題を解決する方法を一緒に考えてくれます。
そのうえで、決められた返済計画をシッカリと守り、借金を返済して行くと共に、社会人になってからはお金と賢く付き合って行きましょう。